強い選手になるには、練習も大切ですが、食事・睡眠・休養によって体の回復、成長を促すことも必要です。睡眠不足や浅い睡眠では、体がしっかりと回復しておらず、パフォーマンスの低下、ケガなどにつながりやすいです。また、成長期の子どもたちは、深い眠りのときに、成長ホルモンの分泌が高まると言われています。
今回は、よい睡眠をするための食事のポイントをお伝えします。
「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)こども版」(厚生労働省)によると、よい睡眠とは、量(時間)と質(休養感)が重要とされています。睡眠時間の目安は、小学生は9~12時間、中高生では、8~10時間です。睡眠の質は、目覚めがよく、疲れがとれている、頭もすっきりしたと感じがあると感じられることが目安です。
体の運動後の回復や成長には、やはりよい睡眠が必要です。
よい睡眠をとるための食事のポイントの一つは、食事のタイミングで体内時計を整えることです。体内時計が整うことで、朝になると目覚め、夜になると眠たくなるリズムができます。体内時計の乱れは、睡眠の質を低下させ、寝つきが悪い、夜中に起きてしまうことの原因にもなりかねません。体内時計を整えるために、食事で気を付けることは「朝食はしっかり食べる」「就寝直前の夜食は控える」ことです。
ヒトの体内時計は、24時間より少し長いため、外的要因でリセットしてあげる必要があります。リセットには、朝の日光浴以外にも朝食を食べることも有効です。朝食を制するものは、質のよい睡眠を制するとも言われるほどです。そのため、よい睡眠のため、朝食はしっかり食べましょう。
夕食は、2時間前に済ませることがおすすめです。就寝前の夜食や間食は、朝食の⽋食と同様に体内時計を乱し、翌朝の睡眠休養感や主観的睡眠の質を低下させることが報告されています。
どうしても練習や塾などで、夕食が遅くなる場合もあるかと思います。その場合、夕方と夜、2回に分けて食事をする「分食」を取り入れてもいいでしょう。例えば、夕方にお弁当やおにぎりなどを食べて、帰宅後は、温かい汁物など、なるべく胃腸に負担がかからない食事にするなどです。ジュニアアスリートは特に、エネルギーや栄養素をしっかり摂る必要があるので、分食をするなどの工夫をして、寝る直前に食べる量を減らせるとよりよい睡眠につながります。
よい睡眠のためには、トリプトファンを含む食品を意識しましょう。トリプトファンは、必須アミノ酸の1つで、睡眠ホルモンと言われるメラトニンの材料でもあります。トリプトファンが豊富に含まれる食材は、牛乳、チーズ、大豆製品などがあげられます。
乳製品は、チーズ、ヨーグルトなどがあります。カルシウムの吸収がよくアスリートには欠かせない食材です。料理に使う、間食で取り入れるなど意識しましょう。
豆腐、納豆、揚げ、きなこなど。みそ汁に、豆腐や揚げを具材としていれるのもおすすめです。
トリプトファンを含む食品をたくさん摂っても、偏りがある食事ではよい睡眠、よいパフォーマンスは期待できません。食事の基本は「バランスのよい食事」。バランスのよい食事とは、主食・主菜・副菜プラス牛乳・乳製品、果物をそろえた食事です。バランスのよい食事、早寝・早起き、夜更かしは控えるなど、規則正しい生活を心がけ、よい睡眠をとっていきましょう。
【参考文献】
「&DNA®」“遺伝子と共に生きていく”という想いがこめられています。遺伝子は、一生変わることのないジブンそのものです。「&DNA®」は、ジブンの可能性を最大限に発揮できる一助になれると確信しています。 各スポーツに特化した開発を今後も続け、さらにはスポーツだけに留まらず健康分野にも拡大し、シリーズ化して参ります。